二宮くんの格安通販ショップ情報、せっかくだからお洒落に楽しみたいですよね
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流石に船の上で謳うのは初めて
想いは月の光に溶けてくれたかな?
まあ、花火前の余興にはなっただろう
「智、素敵な歌でしたよ」
カズがニコニコ笑いながら部屋に入ってきた
「二宮くん、智の歌はいつも素敵だよ」
「それはそれは失礼いたしました」
カズが苦笑い
「チビたちは?」
「大人しくディナータイムに入りましたよ
妖精の国の3人は、貴方の謳う姿を初めて観たから
固まってました(笑)」
翔が可笑しそうに笑う
「そうか、向こうには声しか聴こえないんだ
貴方に会ったこともないんだから」
「子どもの扱いに馴れてるのには驚きました」
カズが意外だと言う顔をする
俺はお前を育てたはずだけど(笑)
それは言わないでおく
さて、チビを彼に会わせないと
「翔、折角だからディナー食べてきて」
「貴方は?」
「カズと打ち合わせをしたいから
チビの側に居てあげて」
「何か有るのね …さとしの側に行ってる
でも、お父さんの邪魔になるかな…」
「ふふ、甲斐甲斐しく面倒見てるよね(笑)
父さん、生き生きしてる ・・・ 明日が大変だな ・・・
終わったら、すぐに行くよ」
「じゃあ、向こうで待ってるから」
そう言って部屋を出ていった
今回はチビがメイン、それは翔も分かってる
だから、何をするのか詮索しないし
事細かに聞いてもこない
あの子の為に動いているのは理解してる
「智、俺はどう動けば良いの?」
「チビを彼の居るデッキに連れていって欲しい
さっきも言ったけど、時間は10分だけ」
「彼にも、そう伝えましたが
どうして10分だけなんですか?
智なら、最後まで見せてあげられるでしょ」
カズが抗議の目を向けた
チビの身に起こった全ての事
チビはその事を知らない ・・・
そして、彼は変化したチビに恋をし
巡り会える日を待ち続けている
その彼の為に力になりたいと願う幼心を ・・・
全てカズに説明した
カズは黙ったままその話を聞いていた
「チビの願いがひとつだけなら
最後まで見せてあげようと思った
だけど、もうひとつ願い事がある
それは、彼を想っての願い ・・・
なら、俺が叶えてやる」
カズが切なげな表情を浮かべ
「あんな幼い子が ・・・ 自分の事より ・・・
彼の願いを叶えたいと言ったのですか?
それなら、俺は何でもします
あの子が泣かないように…
何をすれば良いのか教えて下さい」
真っ直ぐに見る瞳が少しだけ潤んでた
「はっきり言ってはいない ・・・
だから最終確認をする
花火が始まって10分過ぎたら、チビをここに連れてきて
多分、辛いと思う ・・・ 辛いなら俺が代わる」
大きく頭を振って
「いえ、俺が行きます
その後どうするんですか?」
「あの子が持ってる特別な蜜を使わせて貰う
変化は10分はもたないだろう ・・・
大人のチビを彼の所に案内してあげて」
「さとしの意識はあるの?」
「夢を見てるんだと思わせる
一つだけ暗示をかけて ・・・
戻ってきたら、大人になった記憶だけを封じる ・・・
その後、あの3人と合流させるつもりだ」
カズが悲しそうな顔をする
「忘れさせるんですね? ・・・ 切ないですね」
「憶えている方が切ないんじゃないか?
チビも ・・・ そして彼も ・・・
繋がっていれば ・・・ 封じた記憶は蘇る
全てはチビが決める事 ・・・ 今は ・・・ それしか出来ない」
「分かります ・・・ 全ての事に意味がある
さとしも彼も ・・・
それが2人の笑い話となることを
俺は願い続けます ・・・
智 ・・・ あの子に乗り越える力はあるでしょうか?」
真剣な眼差しで見つめるカズ
「あると信じてる ・・・ だから、カズに逢わせた」
俺が表立って動けば、妖精界からクレームが来る
「貴方が表立って動けないからですね」
「ああ ・・・ カズ、頼りにしてるから」
「花火が始まるまで、まだ間があります
皆の所に顔を出してください
一つだけ伺います、暗示とは?」
「チビの名は ・・・ エルダー 」
「分かりました、何も言いません
俺は控えていればいいですか?」
「10分 ・・・ 何とか持たせる ・・・
・・・ 絶対それを越えないように
8分くらいで迎えに行ってあげて欲しい
チビに、そこまでの力はない ・・・」
あの子が願い続ける彼の望み
叶えてあげたいと思う力がチビの力になる
<続きます>
すみません
どうしても必要な部分を書き忘れていました ・・・
と言うか ・・・ 続きの下に
書いてました
失礼いたしました
少し切ないです、ごめんなさいm(__)m
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